16/09/01

校長古田茂樹の「車窓余禄」【第5回】「老夫婦と孫の乗る車にシビれた」

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私たちTEC予備校の南昭和本校の校舎の近所に自動車販売・修理会社ができた。まだ20代の若者二人が経営している。H氏が営業を得意とする社長で、A氏が技術を担当する工場長である。顧客が指定する条件の車両をオークションで競り落とし、必要な整備を施して納車するのが基本業務だという。「もっともっと大きくいい会社にしたい」とがんばっている。私も内心応援している。

さて、そんな工場長から「元気な車と疲れたクルマがある」との話を聞いた。元気な車はなにも新車に限らない――きちんとメンテナンスを受け、持ち主(使用者)から十分なケアを受けている車のことである。乗りっぱなし、使いっぱなしのクルマはドット疲れている。歳よりずっと老け込んでいるし、なにより覇気がないのが特徴である。見ていて可哀そうなオーラを放っている。街角でみかけると、とても気の毒である。

これとは真逆の元気いっぱいの車を見かけた。松茂バスターミナル近くの国道路上で目撃した。昭和30年代に発売された日野コンテッサである。大きさはやや小ぶりなセダンである。ボディカラーがまた粋である――パステル調の水色である。60年は経っているのに見事な鮮やかな水色である。パナマ帽をかぶったおじいちゃんが運転手だ。隣の席には品の良い老婦人、そして、後席にはかわいい孫のお嬢ちゃん二人である。つまり、車も運転手もピカピカの老人である。そして車内からは老夫婦とかわいい孫たちとのほほえましい雰囲気が溢れんばかりであった。これを見てしびれた。カッコよすぎる。人間の理想的歳の取り方と、愛車の理想的歳の取り方を同時にみせられた。

いつ想い出しても心地よい風景であった。登録ナンバーは香川であった。

2012年9月号 2012年8月18日 発行

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