MENU
18/06/01

校長古田茂樹の「車窓余禄」【第26回】「高知北川村のモネの庭」

ページメニュー

アーカイブ

車窓余禄タイトル

東京に行くと隅田川河口のホテルによく泊まる。フランス資本になったらしく一階ホールのコンセルジュデスクにフランス人が座っている(ことが多い)。先日、日本語はかなりいけるフランス人男性がいた。彼にスカイツリーへの最短時間ルートはなにかと質問をした。するといきなり説教を食らった。

「ニホンジンはせっかち過ぎます。スカイツリーだけがスカイツリーではありません。行きは行き、帰りは帰りでそれを見たり、話したり、考えたりして下さい。その全部がツリーなのです。」なるほど、初対面から異文化パンチをくらった。しかし、一気に目の前の視野が広がる快適なパンチであった。かれの助言に従い、われわれ一行は隅田川をさかのぼる船上の客となった。「自分の額縁の中でだんだん大きくなるツリーにワクワクして下さい」という助言を素直に試してみた。いい感じであった。

ここまでは船窓余禄になったが、ここの趣旨どおり車窓余禄に話を転じたい。今月5月初旬に、妻と息子夫婦を連れ立って4人で四国室戸岬を高知へ少し回り込んだところにある北川村の「モネの庭」を訪れた。印象派の画家モネがこよなく愛し、庭仕事と絵画の創作に勤しんだパリ北西にあるシヴェルジュ村の彼の庭を忠実に再現した北川村の誇りである。庭園の最頂部にある睡蓮の庭は赤い花を咲かせ始めたばかりであった。まさに水の精である。

工場誘致に失敗した北川村は起死回生の手立てとして、フランス現地のモネの庭の元庭園管理責任者ジルヴェール・ヴァエ氏に指導を仰ぎ高知北川村に「本物」をつくった。村の誇りであり、文化であり、経済である。「すごい、成せばなる」私たち4人は唸った。

もちろん、行きも帰りも車中ではモネの話、睡蓮の話、庭園の話、北川村の心意気について語った。「たくさん話し過ぎてはいけません。すこしずつテーマを話すのです。知識は少しでいいのです、想像をたくさんさせて下さい。想像が楽しいです。」とのコンセルジュの助言を思い出しながら4人で話した。

2014年6月号 2014年5月21日 発行

TEC予備校へのお問い合わせ

お電話にて

メールフォームへ(24時間受け付けております)

お問い合わせ 時間割や料金がわかる資料を無料でお送りします。