上勝は英語で世界に売り込んでいる
先 徳島県で阿波踊りと肩を並べる有名なものは何でしょうか?
答えは、上勝である。料理「つまもの」の彩に始まり、ゴミを出さない「ゼロ・ウェイスト活動」、見事な棚田を象徴とする日本一美しい村作り。などなど活動の幅は盛りだくさんである。ウェブ上には文字・写真に加えてユーチューブには上勝の動画がどっさり出ている。現地の当事者だけでなく見学に訪れた世界中の人々が各国の言葉で上勝の魅力と個性を熱く伝えている。(読者には、ぜひ一度見てほしい)
ここで私が注目したいのは、NPO法人ゼロ・ウェイスト・アカデミーの事務局長 坂野晶さん(さかの・あきら 若い女性)である。ゴミを出さない「ゼロ・ウェイスト活動」を英語と日本語で巧みに説明している。うまい英語であるだけでなく世界に通じる英語である。彼女の姿にTEC予備校生徒の近未来の姿(ビジョン)を重ねている。「あんな風に英語を使って世界と渡り合ってほしいな……」と憧れる。
うまい英語とは、英米人に近い発声に似た英語と考えている日本人が多い。それは無理である。あの発声は口腔解剖学的に無理である。要するに、口から喉にかけての形や構造が違うからである。同じ種類の楽器でも形が違えば音色は異なる。だから、うまい英語とは「世界中の人々に通じる英語」である。身近な例がZWA(ゼロ・ウェイスト・アカデミー)の事務局長の英語である。
ZWAは活動を通して日本全国とそして世界と連帯してゼロ・ウェイストを広め、地球人の生き方を共に模索しながら共存しようとしている。だから、今も日本語・英語のできるスタッフを募集している。戦争よりもエネルギッシュに平和を追求している町・人々と私は見ている。近場に頼もしい町・人々がいるものだ。
今や、上勝は徳島県の1自治体を超えて「世界の上勝」になった。この町興しの原点となったのは今も健在で超有名人である横石知二さんである。「上勝には魅力がある。しかし、町外の人の力を借りないとその魅力は絶対発信でけんけんなぁ」といいながら常に国内外に人材を求めている。凄い情熱家であり、アイディアマンであり、抜群のマネージメント手腕に長けた経営者である。
英語で「平和と友好を世界に売る天才的商売人」である上勝を応援したい。 TECの卒業生にも活躍してほしいフィールドが増えてきた。
2017年8月号 2017年7月20日 発行