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17/02/07

校長 古田茂樹の「英語遊話」(2016年2月号)

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新年の挨拶に香川県の経営者のところへ出向くと、彼の友人も来ていて、思わぬ「日本人英語学習いかあるべきか論議」に巻き込まれた。個人的にも職業上も大事な問題であるのでお二人の意見に注意深く耳を傾けた。日本を愛し、日本の将来を真剣に考える方々であることがひしひしと伝わってきた。
友人のM氏は自動車部品を作る製造設備を設計・製作する会社の社長である。彼曰く、日本の技術者はすごく優秀であるという。しかし、言葉の壁(要するに、英語が苦手)のせいで国際的活躍ができていない。海外の技術や製品動向の情報収集が遅く、売り込みプリゼンが下手という。また、自ら海外企業に職を得ることが困難なため日本国内で安く使われているという。だから、損をしている。なので、もっと英語を学ぶべきだと主張する。
さて、彼の友人Y氏は大学で英語を教えている。英語は難しい言語だ、特に日本語を母語とするものにはとても手ごわい言語だという。(二人の議論をじっと聞いていた私も、これには頷いた)だから、技術者としての勉強や仕事に時間を取られるのに国際的に通用する英語の習得までは無理だと断じた。その友人は、日本人は日本語による理解や表現こそ高めるべきであり、英語によるコミュニケーションは得意な一部の人々や人口知能による通訳機械に任せるべきだという。
そして、熱く持論を語り終えた二人は私の方を向いた。「たしかに、技術も一流、英語も堪能であることは理想ではあるが、実現はむずかしいですね」と唸った。私としては受験を軸にして、次世代の教育を担う予備校の立場として次のような方針で経営していると説明した。
つまり、日本人のアイデンティティ(独自性)を失わないよう文化の中心である日本語をしっかり身につけた上で、英語習得に努力するのがTEC予備校の方針である。日本人の自覚を忘れてペラペラの英語を身につけても、欧米人たちにうまく利用されるだけである。「英語はうまくなりたい、でも日本語を決しておろそかにしない――日本人だから。」

2016年2月号 2016年1月20日 発行

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