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18/01/31

校長 古田茂樹の「英語遊話」(2017年2月号)

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世界からなめられない英語を教えたい

OECD(経済協力開発機構)という国際機関がある。大きな目的は3つ――(1)経済成長(2)貿易自由化(3)途上国支援、である。別に悪い機関ではない。が、しっかり見張っていないと、日本が金ばかり取られていいように利用されかねない。
さて、わたしは時間をやりくりして外国を旅するのが好きだ。現地では、ガイドは欧米人向けの英語コースを選ぶ。欧米人は旅慣れていて、知識やサービス精神の薄い生半可なガイドを許さないので経験豊富なベテランが配置されている。日本人向けのコースだと、仕事・留学と称して日本でジャラジャラ生活したチャラ男が宛がわれることがままある。おざなりな説明である。しかし、日本人は甘い。だから、なめられる。
観光の日本人がなめられるのも嫌だが、日本が(日本政府が)なめられている事例に遭遇するのはもっとショックであり腹立たしい。以前、エジプトのカイロで欧米人向け英語ガイドのコースを、一部こっそりただ聞きしたことがある。ガイド氏がナイル河沿いに立つ立派なオペラハウスを説明していた。エジプトに欧米に負けないオペラハウスを建て世界から著名なアーティストを招き同国の音楽文化を興隆させんがためだという。
なるほど、素晴らしい文化政策である。で、金は? ガイド氏は日本国からの全額借款で賄われたという。これがOECD経由なのか二国間の相対交渉によるものかは分からなかった。見目麗しい壮大なハウスは何百憶の代物である。完成して10年以上になるが、同国はまだ1円も借款(借金)を日本へ返済していないという。
理由は簡単である。完成式典後の宴席において、招かれた日本政府の最高権力者(首相)が返済を心配するエジプト閣僚たちに対して、「返済は(金が)あるときでいいんですよ」と極めて寛大な返答をしたからだという。このガイドの落ちを聞き欧米人たちが「がはぁはぁぁ―」と腹の底から笑っていた。こちらは腹の底から煮えくり返った。
帰国後は受験だけでなく、世界になめられない英語を教えようと決意した。

2017年2月号 2017年1月20日 発行

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