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25/07/17

校長古田茂樹の「車窓余禄」【第55回】「参議院選挙を楽しもう…」

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 私、TEC予備校の校長は決まった支持政党はない。さらに言えば、国政だけでなく、県や市町村の首長(県知事、市長)から議員(県議、市議)に至るまで「推し(支持する政治家)」はいない。でも、政治に無関心ではない。それどころか、政治にはとても関心をもっている。その理由は、国や地域や生活の大事なことは政治で決められているからである。また、個人からも、経営している企業(教育、エネルギー)からも多大な税金や社会保険料を納めているからである。自分にとって納めたあの莫大な金額が何にどのように使われているか関心がないと言う方がおかしい。
 国内のことも大事であるが、外国との関係も政治が決める。仲良くするか喧嘩(戦争)をするかも政治が決める。校長も年齢から考えて、自ら自身が戦場に赴くことはまずゼロ%であろう。しかし、子供や孫は外国勢力の出方次第では戦場に行く可能性はゼロではない。志望校合格を願って教えているTEC予備校の生徒たちも然りである。このような懸念を述べると、「僕は自衛隊には行きませんから大丈夫です」などと暢気なことを言う生徒にこそ政治に関心を持ってほしい。つまり、徴兵制度(国の権力で国民を兵役につかせること)など国会で賛成多数となれば一気に決まる。政治で決まるのである。
 私たち国民の運命を左右する政治は選挙で体制が決まる。今回は憲法の規定により、参議院議員の半数124人が改選される。改選は3年ごとにある。任期は6年である。ついでに、衆参の人数全容を示しておきたい。国会議員は総勢713人である。内訳は、衆議院465人、参議院248人である。なので、今回の選挙では参院の半数124人が入れ替わる。国会全体から見ると、124÷713=17.4%の先生方が入れ替わる。参議院は、衆議院のような解散がないので、当選すれが6年の好待遇が保証される。この世知辛い世の中では、美味しい仕事と言える。
 好待遇とはどんな中身であろうか。選挙が近いこともあり、10人ほどの大人(有権者)に国会議員の待遇について聞いてみた。政治関係者は含まれていないので、すらすらと答えられた人はゼロであった。衆議院と参議院ではどっちが給料(歳費と呼ぶ)がいいの、尋ねる人もいた。解散リスクのある衆議院の先生は倍はもらってるんじゃないかなあ…との憶測発言も聞かれた。正解は衆参同額である。
 待遇の話、早い話、金の話なので皆さん興味があるはずだ。歳費(給料)と期末手当(ボーナス)を合わせて年間2196万円少々もらえる。こちらには私たち一般人同様に税金がかかる。加えて、調査研究費と立法事務費が合わせて年間1980万円出る。こちらは経費扱いなので課税はない。支給総額は合計4176万円少々となる。それに(まだあるのか!)3人まで雇える公設秘書手当が2500万円支給される。大金であるには違いない金額である。でも、選挙に落ちたら一気にゼロ円に戻る。
 そして、今回の参議院改選の注目は何かと問われると、まず自公与党の過半数割れに尽きる。改選前の現況は自民113人、公明27人で合計140人いるので過半数を維持している。衆議院ではすでに自公は過半数割れしているので、与党の国会運営は苦労している。そこへ来て、両院とも過半数割れは与党にとって悪夢以外の何物でもない。国会決議が思うように、思う時期までに通らないのである。通すためには、要求を聞き入れながら野党の一部を抱き込む必要がある。与党のご事情をとっくに察している野党はどんどん攻勢を強めてくる。消費税やガソリン税の減税や廃税が材料になりそうである。「失われた30年」を合言葉に過去30年の経済政策の失敗を声高に言う野党も多い。
 私は日本にとって、また日本人にとって運命の分かれ道となる選挙になるとみている。改選パーセント17.4を侮ってはいけない。量より質が勝負の回となる。 (終)

2025年7月17日 発行

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