
前回、「参議院選挙を楽しもう…」を書いた。2週間前、7月17日のことであった。全国会議員713人の内、参議院議員の半数改選124人の選挙なので、全体からすると17.4%でしかない。数量的には大きくはない。しかし、情勢が情勢(自公与党に弱みが多い)なので「質」が勝負となると締めくくった。結果は、その通りとなった。
自民は52人出て39人当選、公明は14人出て8人当選で合計47人の与党勢力となった。参議院での過半数保持は非改選75人と足しても122人止まりで、125人には及ばなかった。与党のボス、石破総理は弱々しく総理続投の意思を表明したが、外部のみならず自民党内からも辞任要請の声が上がっている。彼は就任当初から元気がなかったので、ここで元気な人に交代してもらいたい。日本は内外共に問題・課題が山積している。元気なリーダーにてきぱきと解決を望みたい。もう悠長に構えてはいられない状況だ。
と言っても、地域の問題は無視できない。たちまち、自分たちの生活に直結してくる。なので、選挙区選挙は自分たちの生活を第一に考えて投票している。有り体に言うと、国政の場に徳島県の事情や要望を届けてくれそうな候補者に投票している。ちなみに、昨年10月の衆議院選挙では与党のNさんに投票した。今回の参議院選挙は不本意な高知・徳島の合区選挙である。しかも、1無所属と3党の候補者は全て高知の人である。徳島では盛り上がりにくいはずである。四の五の言わず与党のO(オー)さんかなと思ったが、立民系無所属のHさんに入れた。理由は、徳島にも関心を持っていることを行動で示しているからである。選挙が遠い時期でも国道沿いなど要所々々で辻立ち演説をしている。さらに、今回地元新聞の報道で知ったのであるが、参院選に先立ち徳島県の市町村全議員に会って自分の考えを伝えたという。ここまでやる人はそう多くない。「この人は徳島と本気で関わる気だ」と直感して投票を決めた。
次に、比例区選挙である。こちらは、日本の政治を良い方向に引っ張ってくれそうな人・党を選びたい。前回の衆院選では与党とも野党とも関われて話しができる国民民主を選んだ。期待通り4倍の27人まで躍進してくれた。しかし、その後が無様である。安心したのか有頂天になったのか、しかも党首本人がはしゃいでしまい、有名なすっぱ抜き週刊誌の餌食となった。当然、今回は支持しない。
だが、正直なところ、悩んだ。言うまでもなく、参政党は勢いを感じる。全国32の選挙区に候補者を立てて向かう迫力がすごい。「でも、どこからその莫大な資金が出ているのか?」どの演説をきいても党首本人から説明があるはずもない。「どんなバックがついているのか?」少し気味悪くなって、投票は止めた。
「では、誰に?」昨年の兵庫県知事の再選の立役者となったNHK党を選んだ。あの兵庫県知事の再選はまさに既得権益から政治を一般国民に取り返す快挙であった。でも、N党は意外にも今回苦戦しているとネットからも地元の親戚・友人・取引先からも聞いた。残念なのは、10代後半から20代前半の若者に受けが良くないという。これは、わたしの想像だが、「ひょっとすると女性の受けも今一かも…」と不安がよぎった。「何とかしなくては」、投票台では自然とN党の名前を記した。
選挙はデータでも語れる「科学」でもあるが、人々の価値観や世界観、好き嫌いが激しく交差する情緒の世界でもある。どうしてそうなる?世界がそのように動いているから。 (終)
2025年7月31日 発行