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25/04/10

校長古田茂樹の「車窓余禄」【第44回】「TEC新時代授業のイノベーション…」

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 1月30日前号ではTEC予備校が40周年を迎えたことについて歴史や、これから新時代の課題について記した。少子高齢化の時代に予備校として生き残ることは大きなチャレンジであると肝に銘じた。巨大地震も迫っている。特に、締めくくりには大事なことに触れた。「AIに振り回される人間になってはいけない。AIを使いこなす人間にならねば…」と強調した。
 課題をまとめると、予備校として生き残ること、AIを使いこなす人材養成機関としてチャレンジすることの二つである。今号では特に、AIを使いこなす教育について語る。
 自然にせよ、人口にせよ「知能」といえば二つの要素がある。他の物事と同じく「質と量」である。まず、素直に「量」については圧倒的に人工知能AIの勝ちである。例えば、ユーザーの手のひらに乗るスマホからの問いに対して、世界中のデータから無数の知識・情報をかき集めて、それらを比べて、論理的辻褄を合わせた回答をしてくる。吉野家がタジタジになるくらいの「早い・安い・うまい」を備えている。世界を代表する天才でもかなわない。少なくとも量とスピードでは敵わない。
 では、「質」ではどうだろう。始めに、断っておくが、こちらは人間の圧勝だとはとても言えない。公平にみて、幼少からしっかり鍛え上げられた誠実な知性を持ち合わせた人間なら勝てるかもしれない。人間知能と言っても、論理的左脳だけでなく、直観的右脳をも兼ね備えた場合である。結論から言うと、謙虚かつ勇敢に立ち向かう自然知能だけが人工知能AIに対峙できると覚悟している。
 TEC予備校では、冷静に落ち着いてAIに対峙できる知性を作りたい。AIと仲良く建設的に付き合うことができる人材を作りたい。それは、まず日本語と英語の4技能に長けた人間である。4技能とは、「読み・書き・聴き・話す」能力である。ちなみに現在、文部科学省では外国語(特に、英語)の4技能拡充を大学入試関連で強調している。もちろん、異論はないが、英語の前に日本語の4技能が来るのが筋であろう。日本語のそれが危ういのに、英語のそれが堪能などはありえないだろう。
 AIと付き合える人材育成を目指して、今年の春期講習会から「英語底力講座」を4つデビューさせる。つまり、英語底力とは英語の構造を理解して、意味を伝達するため文法を巧みに操る能力である。例えるなら、アスリートが体の構造を理解したうえで、各パーツに意味ある動きを作る能力である。この底力講座は中2から高3まで無学年・学校区別なく運営される。学校成績や入試点数を目指す「目的講座」とは峻別して教える。
 幸い、TECには国語や英語の語学系に長けた先生を備えている。しばらく、現場から離れていた私(筆者)もこのプロジェクト推進のため現場復帰して指揮を執っている。
 そして、大学合格実績は? もちろん今まで通り、または今まで以上である。 (終)

2025年2月13日 発行

 

 

 

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