私自身は住民投票が実現した時、リコール賛成に票を投じるか反対に投じるか、まだ決めていません。でも、住民投票が実現することは大いに期待しています。しかし、自ら署名を集める人(受任者)にはなっていません。今はただ、賛成派、反対派から出てくる両者の意見や言い分を書いたビラなどを丁寧に読んでいます。一市民として、このリコール問題を自分の政治意識を高める機会として捉えています。
政治に無関心でいることは個人の自由かもしれませんが、選挙で選んだ政治家が議会で決議し、それに沿って行政が行われるので無影響であるはずはありません。ちなみに、私たちの所得は金額の大小にかかわらず一律10%の県市民税が徴収されます。この税金があなたや家族のために使われるかどうか無関心でいいのでしょうか?ことによると自分にとって不利益となることに使われる可能性も無きにしもあらずです。その使途に対して無関心であれば、都合がいいのは議員や行政職員です。杜撰な使い方でも批判がないから楽なのです。無関心は高いつけを払うことになります。関心があれば監視ができます。
もっともっと大きなことは国政で決められます。政治に無関心で暢気に構えていると、子供や孫が易々と徴兵されて戦場に送られる日が近いかもしれません。仮に泣きながら送り出すにしても、「国を守らねば日本は滅びる」という必要性を納得してからの話です。
知り合いの方々にも賛成・反対の人が多くいます。其々の主張はもっともなところがあります。知り合いには議員も含まれています。私が「市民は市長や議員を批判している。2年前の市長選の時、元市長と現市長の人柄や主張を十分吟味せずに適当に投票した市民が悪い。ましてや無関心に棄権した市民(投票率38.88%)はもっとレベルが低い。」と言うと、なぜか議員は誰一人応えてくれません。ダンマリです(笑)。
現市長のプラス面では、音芸ホールの県市協調による進展などを見ていると、活躍ぶりが光ります。前市長時代の県と市の対立状態では暗礁に乗り上げていた問題です。次に、永らく喫緊の課題であったごみ処理場がマリンピア沖洲建設で目途が立ったことも現市長のヒットです。週刊誌の記事はどうでもよいです。
しかし一方、新町西地区再開発を選挙公約通り白紙撤回した前市長を市側が4億6000万円の損害賠償を求め提訴しました。仮にも、今は一私人となった人物に巨額の賠償を突き付けるとは筋の通らない暴挙でしかありません。さらには阿波踊り開催では、徳島市は民間イベント会社との契約をろくに話し合いもせず一方的に解約している。契約相手への裏切りも甚だしく、徳島市の対外信用も失墜させています。
これだけ白黒交じった市長はここで続投か降板か主権者に決めてもらう時期です。また主権者も今度こそは市長について、真剣に考える責任があります。この機会を逃しては徳島の衰退は止まりません。
今回のリコール運動は市長の進退を超えて、私たち市民の未来がかかる問題です。 (終)
2022年2月20日 発行 TEC TIMES 3月号より