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22/07/20

校長古田茂樹の「車窓余禄[特別編]TECの進む道!」【第2回】「AIに取られない人間の特技3つ」

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 今回の話は正直に言うと、パクリである。近年の私の勉強はユーチューブを好んで活用している。気に入ったユーチューバーの中に、広島県の呉市から発信している友村晋さんという「未来予測士(本人の標榜による)」がいる。彼の未来予測する専門分野は教育とビジネスである。塾経営の他にビジネス関係の講演や経営コンサルタントをやっている。41歳で結婚していて子供2人を育てている。ビデオ録画中に、赤いランドセルの女の子が時折闖入してくるのが愛嬌である。
 彼は3つの特技を磨いておけば、人間はAIに仕事を取られないと未来予測している。一つ目はマネージメントで、二つ目はホスピタリティ、三つ目は創造力である。ただし、一つ目は実践現場では、知識、経験に加えて人を引き付ける人間性が問われるという。友村さん自身は他人と直接ぶつかる実践現場向きでないと言う。理由は、人に嫌われる傾向があるという。だから、塾もオンライン塾にしているし、直接経営するのでなく講演活動や経営コンサルを中心にしている。二つ目のホスピタリティは仕事なら接客業である。心地よい接客は人に喜ばれたり感謝されたりするが、あまり儲けや利益につながらない。それに比べて、三つ目の創造力は直接、儲けや利益になりやすいという。
 ところで、創造力というとこれこそ才能ありきの世界のように思える。しかし、彼は創造力には二種類あると説く。普通の人にはとても真似のできない、芸術家、ミュージシャン、小説家、プロの囲碁将棋などである。それらは天才に任せておけばよい。一般の人が目指すのは、その気(意思)があれば習慣化できる「一般人向け創造力」である。三段階に公式化できる。一段目、人が困っていることを見つける。二段目、「なぜなぜ」と原因と結果を見極める。つまり、課題は何かを発見する。三段目、解決方法を考えて実行する。
 分かりやすくするため、身近な例を三段階公式に当てはめてみよう。仮想的な話では手応えがないので、私自身がTEC予備校近所の困りごとを解決した例を示したい。東西両側から塀に囲まれた南北に走る幅1メートルある無し、長さにして40メートルほどの抜け道がある。狭い通路だがきわめて便利で多くの人々に徒歩や自転車で利用されている。だが、ひとつ厄介なのは北の出口に太い電柱がはみ出ていたのである。お年寄りや小さな子供が自転車のハンドルの端を電柱にひっかけて転倒事故をよく起こしていた。血を流している方々を何回も助けた思い出がある。
 では、三段階公式の登場。一、狭い通路にはみ出している電柱が不便かつ危険で困る。二、なぜ、こんなに危ない状況を何十年も放置しているのか。地元電力会社が解決に非協力なのか、通路隣接の公共施設が電柱移設に非協力なのか、いろいろ考えて近隣に聞き込みして調べた。分かった、非協力的な人はいない。原因はひとつだけ。多くの人々が何十年も利用してきて、電柱が不便かつ危険なことは百も承知であった。しかし、誰一人解決しようとしなかっただけである。三、私が動いた。近隣住民から電柱移転要望書を集めて、電力会社へお願いした。一カ月もしない内に移転工事の決定通知が来た。 (終)

 

2022年7月20日 発行  TEC TIMES 8月号より

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