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18/05/26

校長 古田茂樹の「英語遊話」(2017年6月号)

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外国語はきちんと学ばないと危ない

英語は正味地球の共通語になった。聴く・話すも大事だが、時々刻々と変化する世界に遅れないためにはやはりインターネットで読んで情報を素早くとることではないか。素早く、かつ正確にとることが肝心である。間違いは危ない。
とある用事があり貿易額の多い会社を訪問した。高齢だが矍鑠(かくしゃく)とした会長が息子の社長の文句を言い始めた。相手国の景気や商品の国際動向をインターネットを駆使して調べている息子が英文を間違って解釈してかなりの損を出したという。「こいつは英語も怪しいし、商売の勘も甘い」と罵る。そばに座っている息子(=社長)は反省してうなだれている。「東京に嫁いでいる○○子がおってくれたらのう。あいつはフランス語が専門やけんど英語もかなりのもんや」と眼差しが遠くで暮らす愛娘を見やっている。
うなだれていた社長が突然頭をあげて反論した。「姉ちゃんの外国語は、あれは趣味の外国語ですよ。実際の商売には使えませんよ!」と元気に姉批判を始めた。会長の罵声が飛ぶかとこちらも身構えたが、以外にも「ほら、ほうじゃのう。お前の言う通りじゃ。あいつは先生じゃけんのう」と鷹揚に応えた。
「○○子はなぁ、子供の時から外国に憧れて外国に関する本をようけ読んどった。ついにはフランス文化に傾倒して、大学はフランス語学科に行った。おかげで、大学の非常勤講師の職を得てフランス文学を教えている。好きなことをして一代暮らせるのは果報なもんじゃ。」
帰りの車中で外国語を勉強する目的を考えてみた。そうだ、3つの目的に分類できると気づいた――(1)仕事の道具にする(2)生徒に教える(3)好きだからその道を極める。会長の娘さんは三番に当てはまるな、と分類に入れた。筆者の私は二番に該当する。でも、英語を使って仕事をすることに憧れ続けた。特に息子が海外営業で出張や駐在で英語を使って頑張っている話を聞くとなおさら英語で仕事をやりたくなった。
「そうだ、TEC予備校の生徒たちにも英語を学ぶ目的を意識させねば」との想いが強くなった。むろん、途中で変わってもいい。でも、今の目的を意識することは進路決定にも役立つし、英語の学びにも本気が強まるはずだ。それにしても、きちんと学ばないと危ない時代に突入した。

2017年6月号 2017年5月19日 発行

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