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18/10/08

校長 古田茂樹の「英語遊話」(2017年10月号)

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北朝鮮がICBMを撃てば安保理が忙しい!

北朝鮮は国体の維持を核武装に賭けている。最高指導者の金正恩(キム・ジョンウン)は若干33歳の若者ながら、党・国家・軍をすべて掌握している。政治思想や、国の利害を超えて評価すれば、若いのによくやっているとも言える。
好きで核武装する国はまずない。隣国や利害対立国の言いなりにならない最後の手段として核武装を選ぶ国が増えている。インドやパキスタン、イスラエルなどである。米国のように自国は核を沢山保有しているのに、他国には持たせない態度の国もあるが、ロシアのプーチン大統領のように「自国の安全・安心が保証されていない限り、北朝鮮が核を開発するのは止むを得ない」と一定の理解を示す国もある。
ことの中心が国家の立場・都合にあるので簡単に話し合いで解決するはずもない。が、すぐ腕力に訴えるわけにもいかないので事案は国連に持ち込まれる。いちいち193加盟国すべてを集めて総会にかけるわけにもいかないので、緊急事案は主要国で構成される安全保障理事会で話し合われる。しかし、決議は簡単にはいかない。
安全保障理事会の15の理事国の言語は異なる。英語で頑張る非英語国もあるが、あまりアピール力があるようには見えない。特に日本であるが、やたら難しい単語を用いた原稿をみながら読んでいる。前を向いてしっかり慣れた日本語でやった方がいい。国連には腕の立つ通訳が揃っている。慣れた日本語で考えながら、日本語で発信すべきである。現国連大使の別所さんの官僚英作文の棒読みでは日本の意思の伝わりは弱い。
国連の重要事項をほぼ全て決める安全保障理事会は5つの常任理事国(P5=米国、英国、仏国、ロシア、中国)と2年に1回の選挙で決まる10の非常任理事国で構成されている。後者のメンバーには日本も入っている。ノルウェーの作家の壁画をバックに開催される安保理の様子は1年中世界中に映像が流される。ここでしっかり自国をアピールしないでどうする。日本語でいいから世界に顔と表情、身振り手振りを見せてほしい。
未来の日本を担うTEC予備校生徒には英語だけでなく、日本語もためらいなく重要場面では使ってほしい。内容を考え、英語を作るのは頭が2倍要る。無理せず通訳も十分活用してほしい。 英語は? 「通訳と仲良くなるために使えばいいんじゃない! 柔軟にいこうよ。」。

2017年10月号 2017年9月21日 発行

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