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26/01/29

校長古田茂樹の「車窓余禄」【第68回】「米国軍隊によるベネズエラ大統領夫妻逮捕連行[1/2回目]…」

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 ベネズエラのカラカスに住む日本人青年ジュンは熟睡中突然、日本で知り合い結婚した妻ジジにたたき起こされた。時は、2026年1月3日午前2時(米国東部時間)の真夜中である。市内のあちこちから爆発音がこだまする。妻と窓から市内を見渡すと、あちこち大きな火柱が上がっている。次々に、ヒューーンという不気味な飛翔音が空気を切り裂いている。そして、ドーーンとすさまじい爆発音が続く。空には大型ヘリが飛行している。空爆を受けていることは間違いない。米軍だ。
 首都カラカスは米軍の攻撃を受けている。陸軍の特殊部隊デルタフォースを中心とするヘリや戦闘機、爆撃機、海からの上陸用強襲艦からなる作戦部隊が1月3日午前2時、ベネズエラの首都カラカスに攻撃を開始した。中心的役割の陸軍デルタフォースはカラカス市内のフォルテ・チウナと呼ばれる厳重警戒の大統領邸とする要塞ビルを強襲した。海上30メートルの超低空で侵入したヘリが要塞ビル屋上に部隊を降ろし、事前に探知したマデューロ大統領夫妻の部屋に急行した。途中警護部隊と激しい銃撃戦を繰り広げながら強固な避難室へ逃げる夫妻を追い詰めた。鋼鉄のハッチの扉は別動隊が事前に爆破破壊していたので、夫妻は中へ逃げ込んだものの扉を閉めることができずデルタフォースに身柄を確保された。直ちに手錠が駆けられ目隠しをされ、待機のヘリに押し込まれた。この時、3時29分であった。カラカス沖合に待つ強襲鑑イオウ・ジマへ移送された。要塞ビル侵入から5分の仕事であった。後に、作戦のヘリ一機が一部被弾したが帰還には支障はなかったことや、銃撃戦で米軍2名が負傷したが、死者はゼロであることが判明した。作戦実行は「見事な電光石火の成功」と言える。(注:報道の中には、要塞ではなく、コロニアル風の大邸宅3階の自室で拘束されたとの説もある。しかし、筆者はトランプ大統領自身から聞いた話を採用した)
 ところで、米軍の攻撃は純粋な不意打ちではない。1週間前にベネズエラのマデューロ大統領は米国のトランプ大統領から直接電話を受けていた。「金も自由も持っていけ。キューバかロシアに亡命しろ。さもなければ、捕えに行くぞ」と警告した。話を聞いて、マデューロ大統領は、来るなら、来てみろ、捕まえろ、とせせら笑った。その翌日、カラカスの街頭演説で、電話の話に言及して、「来い、捕まえてみろ」と自信たっぷりに聴衆に語った。わざわざ、警告電話までするとは、親切な米国大統領である。
 場面は変わる。場所はフロリダ州パーム・ビーチにあるトランプ大統領の豪華私邸「マーラ・ラゴ」の一室である。大統領のSNSで室内の人員や機器の様子が発表された。マデューロ大統領夫妻の身柄確保の直後すぐに場所は発表されている。トランプ大統領は作戦開始の直前、2日の22時46分に作戦実行の最終命令を下している。動画映像の中心にはトランプ大統領、その両脇にはマルコ・ルビオ国務長官(外相)、ピート・ヘグゼス国防長官、ジョン・ラトクリフCIA長官、そして軍人トップのダン・ケイン統合参謀本部議長が控えている。つまり、作戦を統率する国家の最高首脳陣が勢ぞろいしている。 言うまでもなく、迫力ある光景である。軍のトップであるダン・ケインによると、ターゲットのベネズエラ大統領の動静については、自宅と執務室の行き来や交通手段や警護の体制から、飼っているペットの種類まで緻密に把握している、と語った。つまり、内通者の存在を示唆したのである。でも、見ていて気になることがあった。あのJDバンス副大統領の姿が見えない。どうして? 副大統領はこの拘束作戦に賛同していないとも言われている。しかし、確かなことは不明である。
 この出来事を皮切りに世界が大きく動く予感が高まってきた。実際、イランを始め世界のあちこちで予断を許さない変化が始まっている。否応なく、我が国日本もその渦中に巻き込まれることは間違いない。心して、世界を注視していこうと思う。 (終)

2026年1月15日 発行

 

 

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