
南昭和町にあるTEC予備校の本校(本社でもある)のお隣さんは自動車販売・修理のHCS社である。もう10年の隣人関係である。他者ではできないレベルの高い修理をリーズナブルな価格で提供している。口コミやSNSコミを通じて県外からの購入・修理依頼の顧客が増えている。私筆者は創業者なので、若い創業者を見ると自然に応援したくなる。HCS社の愛想のよいM社長のことも応援している。駐車場などですれ違う時、経営状況など話し合って互いに励ましあっている。
同社の魅力は3つある。「早い・安い・上手い」である。見ていると入庫する車も日本車だけでなく輸入車も多い。正規のディーラーでは値が高すぎて修理を頼めないと助けを求めて駆け込んでくる客が多い。正規ディーラーは信用第一なので、細かな原因まで追究せず大きく全体交換で対応することが多い。いわゆる、「アセンブリ―交換」である。原因がありそうな個所周辺をまとめて交換するのである。確かに、早くていい面もある。でも、高い。同社社長から聞いた、ドイツ製高級車のAT(自動変速機)の修理では250万円の見積もりが出たそうである。社長はとある開発途上国の町工場が発信した修理ビデオを見つけて、25万円で仕上げたそうである。やるな!
そろそろ、題名に話しをもっていきたい。HCS社のやっていることは日本(徳島)を良くしている。わがTEC予備校も日本(徳島)を良くしている。つい最近も偶然、徳島県内の自治体で活躍している卒業生にであった。在校時代の懐かしい話や現在自治体での活躍の様子を聞くことができとても嬉しかった。傍にいた私の友人も「先生、仕事の成果が現れとるなぁ…」と誉めてくれた。というふうに、隣の社長とは国や地域を良くする競争をしている。そう言えば、県内の大手病院にもTEC卒業生はたくさんいる。
でも互いに悩みもある。HCS社の社長は、「資金繰りが課題ですねぇ」とぽつんとこぼすことがある。新品にせよリビルト部品にせよもう少し利幅を載せたいところである。技術料ももっともらいたい。でも、最終価格が上がるので控えてしまう。高いと思われると、口コミ紹介やリピートが減る。
同じような問題はわがTEC予備校にもある。以前、県内大手企業の役員と話していた時のことである。「校長、おたくはフレンチ料理を居酒屋価格で出しているんと違いますか」と質問を投げかけてきた。私は、うーん、そういう場合もありますね、と苦しそうに答えた。彼はそれに反応して、「適正な価格を頂かないと経営が成り立たんのと違いますか」と問うてきた。うーん、とただ唸っている私に助け舟を出すように支店長が「いや、常務、地域の財布事情がありますから。理にかなった適正価格でも客がついてこなかったら元も子もありませんから」と私の苦しい胸の内を代弁した。あの手この手を工夫しながら国や地域を良くするのが中小企業経営ですから、と支店長は話を締めくくった。
ところで、ここで対極的な大きな観点から述べたいことがある。今の日本では、個人の家計や中小企業の経営は楽でない。高度に発達した資本主義、そして、高度に発達した国家運営制度の下では、「金(カネ)」は自然と次の4か所に集まる――①国家(税収潤沢な自治体も含む)②大企業③金融機関(銀行、証券、保険)④超富裕層のところである。他のところ・人々は付加価値を作るメカニズムである。この実態は、わたしたち日本だけではない。G7に出て来る先進国を始めとするほとんどの国が同じである。マジで、ヨーロッパも国民や中小企業も大変だ。
だから、国・地域を良くするのはただあの手この手で中小企業経営に耐えるだけでは無理である。世の中の在り方を変える努力と国民の団結が不可欠である。私たち国民は、国の在り方や政治の勉強が必要である。とにかく、無関心が一番の損である。(終)
2026年7月2日 発行


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