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26/07/30

校長古田茂樹の「車窓余禄」【第82回】「秋葉原で来日外国人の国籍を言い当てる…」

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車窓余禄タイトル

 YouTubeで大好きな番組がある。チャンネル名は「ギャビンの偏見TV」という。楽しく笑いながら観ている。秋葉原の有名スポットで来日外国人を捉まえて、「あなたの国籍を当てるYouTube番組に出てくれませんか」と女性スタッフが勧誘する。勧誘の様子はモザイクをかけて映る。受けてもらえるかどうか思案会話しながら、ディレクター男性と出演のギャビンが喋りながら待つところから始まる。特に偏見は無いようであるが、世界中に散らばっているヨーロッパにルーツをもつと思われる若い目の男女にお願いしている。
 ギャビンは30歳代と思えるアメリカ人男性である。フレンドリーな親しみやすい常識も持ち合わせた人物である。それと、イケメンである。が、出演を承諾してくれた白人男性が跳び抜けたイケメン(美男)の時は少し悔しそうに負けと憧れを素直に表すのが可愛い。それから、番組中のやり取りから判明したのであるが、ギャビンはフロリダ出身である。先に、番組のタイトル「ギャビンの偏見TV」の由来を説明したい。彼は各国の文化・国民性に持論をもっている。特に、イギリス人とフランス人には若干嫌悪を帯びた持論を持っている。持論によると、英仏人とも頑なな性格で他人と打ち解けない人々とみている。筆者の私も彼の考えには共有を示したい。要は、英国人は大事なことも他愛ないことも多くを喋りたがらない。つまり、控えめでシャイな性格である。一方フランス人は、特にパリジャンは、最初はお高くとまって、「お前なんかと易々と喋らないぞ」的雰囲気を醸し出している。そのくせ、一旦喋りだすと事の軽重に関わらず、一方的に喋るは喋る、止まらなくなる。ところで、英仏に共通しているのは、私たちはヨーロッパの大国である、先の世界大戦の勝者であるとの優越感である。現存の他のヨーロッパ諸国など一段下にみている。彼らが唯一尊敬しているのは、古代ギリシャ人だけである。世界に冠たるヨーロッパ文化の原点を創った古代ギリシャ人である。ちなみに、古代ギリシャ文化への憧憬は私も同感である。多分、世界的にも異論ある人は少ないだろう。
 さて、ここからはギャビンが撮影クルーたちと活躍する秋葉原の有名スポットに戻りたい。出足は、言葉巧みに女性スタッフが3人組の白人女性を連れてきた。余談ながら、三人とも美人でチャーミングである。なお、ギャビンは相手に質問して国籍を言い当てるのではない。ディレクター兼カメラマンらしき男性スタッフとあれやこれやと品定め会話をするのである。出演者も会話の焦点が自分のバッグだと察すると、くるっと一八〇度回転してバッグをカメラに見せるなど協力的である。ギャビンとディレクターは会話する。「スペインかなぁ…、いや待てよ、中南米の雰囲気もあるぞ…、でも中南米にしては洗練しすぎているぞ…」てな具合に結構本音の推論トークである。時折、出演の女性たちに視線を送る。もちろん、彼女たちも魅力のスマイルを返す。この辺りのやりとりは、今後私たち日本人も身につけていきたい交流しぐさである。「うーん、難しいぞ」とギャビンは頭を抱えている。「ことによると、ブラジルかも…、いや違うな…、アルゼンチンかも」と右往左往しながらギャビンは苦悩する。その様子を三人の美女は楽し気に見ている。そして、ギャビンは「よし、決まった」と結論を出す。「スペイン人だ!」暫く、沈黙が流れる。そっと、ギャビンは美女たちの反応を伺う。彼女たちはニコッといたずらっぽく微笑みながら「ノー」を出す。…ってことは、とギャビンは正解を待つ。彼女たちは、メキシコ人なの…。ギャビンはやられた、と唸りながら頭を抱えてその場に座り込んだ。
 美女たちが立ち去った後、ギャビンとディレクターは(時には、勧誘役の女性も加わり)反省談義を行う。「植民地にやって来たスペイン人たちは多くが現地人と混血していったんだよな。でも、一部、スペイン人だけで血をつないできた人々がいるんだよな。彼女たちはその一派なんだ」とそこを見破れなかったことを悔しがる。
 最後に、筆者がこの番組を好きなのは理由がある。この同じゲーム(白人の国籍当て)を海外旅行でさんざん行ってきたのである。二〇〇〇年以前は割と言い当てることに成功した。でもその後、世界はずいぶん共有するものが増えてきた。どの国も英語が上手くなった。違いが少なくなってきた。実は、徳島でもヨーロッパからの遍路によく出会う。国籍を当ててみろと言われても、なかなか当たらなくなった。(終)

2026年7月30日 発行

 

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